そば粉 玄そばについて

蕎麦本来の良さを活かすそば粉造り


そば本来のそばの色、香り、のど越しを楽しんでいただくために当社では次のことに取り組んでいます。 玄そばの産地ごとの特長を活かした製粉をしています。商品銘柄に品質に合わせるのではなく、玄そば産地ごとの特長を活かす製粉をしています。

・玄そばの品質が良くなければ特長を出せません。

・内容表記を明確にすることが出来ます。

特長を活かすために、そば殻を丁寧に取り除き、抜き実の状態から挽くことを大切にしています。そのため、純度が高くそば本来の色調と秀逸した風味が特徴です。その良さを最大限に引き出すのは低速回転石臼です。当社、低速回転石臼は毎分12回転で挽くことにより摩擦熱を最小限に抑えることでそば粉の風味を損なうことを防ぎます。 また、そば粉に粘り気が強く、打ちやすいとの声をいただいています。

そば製粉用石臼

産地名からではなく品質から選んだ玄そば


当社では、品質を大切にするために、その年に良い品質の産地 のみから仕入れしています。産地名だけでは仕入れしません。 それは、玄そばが農作物であるため、どうしても優劣は出来てしまいます。

右図の国産Aが100%なら他は品質では勝てません。しかし、品質に年毎、産地内にも差があるため、玄そばの品質を確認した上で仕入れすることが大切になります。

上質の玄そばのみ仕入れをしますが、仕入れの段階でさらに品質を検査しています。 検査後、上質な玄そばを低温恒温倉庫で保管することで、玄そばの劣化を極力抑えることができます。

玄そば 産地別品質イメージ
◇そばの品質は寒暖差?

昼夜の気温差が激しく、霧が発生する場所で育ったそばは、実が締まって、タンパク質やグルテンに富んだうまいそばができると一般的には言われています。

しかし、現在そばの栽培に力を入れる産地のほとんんどが同じような環境での栽培をしています。 そのため、これだけを基準に品質を判断はできません。

◇そばの天敵は水!

そばは害虫などには強いため、農薬などはまず使いません。しかし、霜、大雨には弱いため、水はけのいい土壌が適しています。また、風にも弱く、特に実がつく時期は台風なども重なるため本州の玄そば収穫量が安定しない原因にもなっています。

◇価格=品質ではありません

お客様から国産で北海道が一番安いから一番悪いの?とご質問されますが、そのようなことはありません。 玄そばの価格は、次のことが考えられます。

機械化が出来ている

機械化が出来るということは広大な面積で栽培する必要があります。 そのため収穫量も必然的に増えますし、人件費も抑えられます。 これが北海道の価格を抑える理由のひとつです。

安定した収穫量

本州の産地で毎年安定した収穫量を確保することは非常に困難なことです。 これは、もともと栽培量が少なく台風などによる水害、風害を受けるためです。

【栽培面積と収穫量】

1反歩(300坪)=2〜3俵(120kg〜135kg)と生産効率の悪い作物です。 東京ドーム(14168坪)の広さでで6トン前後しか収穫出来ません。 そのため、本州で機械化が出来る広大なそば畑はなかなかありません。

※収穫高などは「そばの話」を参照してください。

産地名のブランド

昔から言われていたり、テレビ、本などに取り上げられるなど、ブランド化した産地がいくつかあります。そういった、有名な産地になれば玄そばの需要が増えますが、栽培量はもともと多くないため品薄になり値が上がります。

◇当社の考える良い品質の玄そばとは

上記の3つのポイントも踏まえた上で

玄そばの水分含有率

あくまでもイメージですが、果物の梨をイメージしてください。水分が多すぎると味が薄く、少ないとパサつきます。加水率にも製粉方法以外で影響を与える原因にもなるため、適した水分含有率が必要になります。

玄そばの粒の大きさ

粒の大きさにより甘皮、澱粉質のバランスが変わりそれにあった製粉方法になります。これが産地ごとの特徴になります。 今までの経験では大まかにこのような特徴になります。

自分で打って食べる

この方法より確かなものはありません。当社では自分でそばを打ちます。技術もかなりのレベルにある者もいます。 試作を繰り返しその玄そばにあった粉に仕上げます。

玄そば年度別使用表

2009年度産〜の使用産地はこちら
2008年度産玄そば使用産地
北海道 士別町 常呂町
福井大野市
福島南会津郡下郷町
茨城筑西市
長野伊那市
アメリカアメリカ
中国内蒙古自治区
オーストラリア未使用
2007年度産使用産地
北海道 音威子府 士別町
福井福井市
福島会津坂下
茨城筑西市
長野安曇村
北米アメリカ
中国内蒙古
オーストラリア大干ばつのため、未使用
玄そば(新そば)入荷時期目安
北海道9月〜10月
本州産地10月下旬〜1月
北米10月下旬〜11月
中国9月〜10月
オーストラリア5月下旬〜7月

玄そば(新そば)入荷について
  • 品質により使用のため、入荷しない年もあります。
  • 当社ではオーストラリア産は越前産玄そばのため7月ごろです。

外国産玄そば


外国産玄そばは現在、中国産農作物残留農薬問題、原油高による北米農作物の変化などさまざまな問題を含んでいます。


【北米産KADE品種(KOTO種)】

北米産は品質が不安定、衰退種のような問題がありました。 そのため、安定した高品質の玄そばをつくることを目的に1995年に全国蕎麦製粉協同組合及び豊田通商・アメリカ(MINN.DAK Growers Ltd.)・カナダ(AGRICORE Cooperative Ltd).の各社が出資して『KADE Reserch Ltd.』社設立しました。『KADE Reserch Ltd.』社によって開発された品種がKADE品種です。


【内蒙古産玄そば】

最近の残留農薬等の問題により中国産が敬遠されています。しかし、国内消費量の6割近くを占めるため、他の産地の生産量では代替は難しく、一概に使わないようにするだけでは、商品を提供するものとしては解決したことにはならないため、頭の痛い問題です。現在、国内に出回る中国産は全粒検査が行われています。 当社では、一重に中国産といっても広大なため、長年、仕入れルートを仕入れ価格等で変更せず、現地視察を行った1つのルートのみ使用しています。 また、ご購入していただくお客様に不安を与えないように、各産地単独での製粉、内容表記の明確化により安心してお選びいただけるようにしております。

茶そばについて


静岡県産の茶葉100%使用
お茶の産地で知られる静岡県の茶葉のみから茶そばに最適のものを使用しています。
麺としてお茶とそばの絶妙なバランス
乾麺のなかで難しいとされる茶そばは現在、乾麺のそばは法律でそば粉の含有率が  定められていないこと、そば粉とお茶の味がぶつかることから、そば粉の含有率が低  いといわれています。  そのなかで当社は長年の経験から乾麺でありながら「生めん」の法的含有率もクリア  することができました。  そして、お茶とそばのバランスがとれた麺として美味しい茶そばをお届けしています。
着色料、保存料は一切使用していない自然食品
麺として美味しいだけでなく、お茶、そばともに健康にいいとされる食材を使うのにあた  り着色料、保存料は一切使用していません。そのため、どうしても退色してしまいます  が、味には影響しません。(アルミ袋に入れ退色をできるだけ抑えています)  また、製造工程でも同じ茶葉を同じ分量使用してもまったく同じ色にはなりません。  しかし、食材の美味しさををそのまま食べていただきたいためご了承ください。  また、よくお問合せいただくそばつゆとのセット販売ですが、乾麺などとセットにする  そばつゆには添加物、保存料が使われているため、販売する予定はありません。

長冷麦・乾麺について


長冷麦について
当社創業当時から変わらない製法でつくられているため、現在では珍しく食べた時に小麦の香りがする冷麦です。  お客様から「昔懐かしい味がする」といわれています。また、冷麦も着色料、保存料は一切使用していません。
乾麺について
そばの乾麺についてもよくお問合せいただくのですが、当社では販売しておりません。  当社としても販売したいのですが、なっとくできる水準の商品ができないため販売しておりません。  いままで乾麺のそばでは食べたことがない感動をあたえられる納得できるものをつくりたいと考えています。